お坊さんのひとりごと

令和元年も終わり、新しい1年が始まります。今年から「お坊さんのひとりごと」を始めました。「黙して語らず」「坐禅あるのみ」というのが坐禅のお坊さん、と思う方も多いと思います。私もそうありたいと願っております、ですがやはり「仏教は分かりづらい」という声も多く、お坊さんとしては少しでも「仏教」が親しみやすいもの、というのをお伝え出来ればと思っております。1月のテーマは「お正月」そして「永平寺」と致しました。永平寺の修行は大変で、朝も早く、1日1日が濃密でした。「無駄な1日を過ごしてはならない」というのが私たち永平寺での修行の根本にあります。「寝正月」であっても永平寺の修行の1日と同じ、時間の経過というのは均等に皆さんにあります。。私たちがゆっくり寝ていても過ぎていきますし、あくせくしていても過ぎていきます。私たちは「今日はしっかりした1日を過ごせたな」という日を1日1日と積み重ねていく。それしか出来ません。もしも「しっかりした1日」を1生続けて行く決心が出来たなら、それが即ち「今を生きている意味」となってゆく。そんな気が致します。今年度も、どうぞよろしくお願い致します。

2019年9月 永平寺 参拝